【学生生活】ニューヨーク大学プラハ|私の満足度

今回は、ニューヨーク大学プラハUniversity of New York in Prague 以下UNYP) に1セメスター留学したレポートのまとめとして、私のUNYP留学に対する満足度について、お話ししたいと思います。

「大学の学士過程で学ぶ」という選択

結論からいうと、UNYP1セメスター学べたことには、とても満足しています。チェコに来た当初、英語コースに通っていた時は、嫌いな英語を学ぶモチベーションを保つことが難しく、思ったように伸びない自分の英語力に、次のステップを大学の学部で学ぶことに照準を合わせて良いものかと、躊躇したこともありました。(実際に引き続き英語コースに通うべきかどうか悩みました。)

幸いにも、基準をなんとかクリアし、「学士過程で学ぶ」という切符を手に入れたので、最初の予定通りの道に挑戦することにしましたが、果たして大丈夫なのかという不安と、その不安が的中したUNYPに通い始めた当初の気持ちを思い出すと、「ああ、あの頃には戻りたくないなぁ」という思いと「なんとか乗り越えたんだなぁ」という思いで感慨深くなります。笑

一番満足できたポイントは、英語でのインプット・アウトプットをすることの楽しさ、達成感を得ることができたということです。今回は、そこにたどり着くまで七転八倒した中でも、一番思い出深いエピソードをお話ししたいと思います。

自分の問題意識を課題に落とし込む

UNYP授業についての記事でも紹介した、Ethics of Business & Public Administration (ビジネス・行政倫理学)。授業の中で、各々に課されたリサーチ課題がありました。

テーマは基本自分で決めるのですが、授業中にみんなの前で自分のテーマを発表する場があり、そこで教授からダメ出しを食らったり、方向修正を一緒にしてくれたりします。「いいリサーチをするためには、自分が本当に興味があるものじゃないとダメだ」というスタンスで、最後のアウトプットさえ間に合えば、その後もテーマは変更可能。

私は当初、CSR(企業の社会的責任)についてリサーチするつもりだったのですが、「うーん、東洋と西洋の集団主義と個人主義の比較とか面白そうじゃない?」という鶴の一声で、テーマ変更。どうすれば自分の興味のある方向に持っていけるか考えることにしました。

チェコと日本で感じたこと

まずチェコに留学してしばらくして感じたのは、教授もテーマとして提示したように、個人主義。みんな良くも悪くも人のことを気にしません。授業中、わからなかったら質問するし、意見があれば自由に発言する。小腹が空いたら授業中でもおやつを食べる。周りもそれにとやかく言わない、というよりは気にしない。「良くも悪くも」という「悪くも」の面に関しては、国や人それぞれのマナーの違いだったりするので、これは個人的不快指数の範囲。授業中の例は、個人主義の事例からしたらほんの少しの側面で、おやつの話は極端にしても、1人の人間の行動について、周りが寛容だと感じました。と同時に、私にはこの雰囲気が日本で暮らしていた時よりも生きやすく感じました。

とすると、それと対比する集団主義はいかなるものか。と同時に、Ethics of Business & Public Administration (ビジネス・行政倫理学)という授業からして、どのような事例を絡めたら良いか、と考えた時に、ちょうどその時期に日本で問題になっていた過労死と過剰労働が浮かびました。私自身も東京で総合職として働いていたサラリーマン時代は、残業をし、形骸化されているシステムに疑問を持っていたので、集団主義が日本企業の労働に及ぼす影響についてリサーチしてみたい、という結論に至りました。

インプットとアウトプット

ここからは、参考文献を漁り、ひとりブレストを繰り返し、研究者たちが述べる見解と、自分の考えを照らし合わせながら、エッセーを書いていきました。参考文献は、英語と日本語のもの、両方使用しました。英語の文献に関しては、「英語を勉強するため」に英文を読んでいた時とは違い、ここから自分の必要な要素を汲み取るんだと思って読み進めていくと、不思議と英語に対する積極性と吸収力が上がった気がしました。(ちなみに、参考文献や資料はオンライン上で手に入るものを使いましたが、一番参照した参考文献はKindleを持っていたので、電子書籍をダウンロードして読みました。基本は紙媒体が好きなのですが、留学に行くならデバイス一つで書籍が持ち運べるKindleおすすめです。)

このリサーチで、エッセー以外にもう一つ課されていたのはプレゼンテーション。パワーポイントを使って順序立ててプレゼンする学生が多いのですが、中には、自分のテーマに沿ってオススメの書籍を紹介したり、ムービーを自ら撮影・編集してそれをプレゼン代わりに流したりする学生もいて、個性を発揮する場として捉えることもできます。

私はプレゼンの手法で個性を発揮するほどの力量はなかったので、素直にパワーポイントでのプレゼンテーションをすることにしました。この授業が1セメスターの留学中に3回行ったプレゼンテーションのうち、最後の一つ。最初の2回ももちろん緊張し、自分の英語力への不安がありましたが、この授業でのリサーチは、日本の歴史的・文化的背景などを交えながら自分の見解を伝える、というもう一歩踏み入った内容で、さらに緊張し、果たしてうまく行くのかと不安で仕方ありませんでした。

いざプレゼン

そしてプレゼン当日。プレゼンのポイントをメモした自分のリサーチの要約プリントを手に、深呼吸してみんなの前に立ちます。

伝えたいことが伝わるか

まずは、なぜ私はプラハにいるのか、という自己紹介から始めました。日本の大学を卒業し、日本で4年間働いてみた結果、その環境に適応できないと感じたこと、もともと興味があった海外での暮らしを実現したいと思い英語を勉強するためにプラハに来たこと、多分この教室の中で教授を除けば一番最年長だと思う、というオチをつけて。(童顔がゆえ、こちらに来て以来年齢を信じてもらえたことがほとんどないのでウケました。このネタにのってくれた教授に感謝。)

そして、私がこのテーマを取り上げた理由、日本の労働環境、過労死が問題になっていること、一般的な集団主義の定義、私が仮定する日本企業の中の集団主義の定義、そして、なぜそのような状況が存在するのか、を説明していきました。途中で、私の言ってることが伝わっているか不安になり、「私の話してること伝わってますか?」と確認しながら、続けて、それを変えるのがなぜ難しいのか、どうすれば解決できるのかを話していきました。

要所要所で、教授とほかのクラスメイトからの質問、議論がありながら、最後に、「私は働くために生きたくも死にたくもない、生きるために働きたい」ということ、「ヨーロッパの雰囲気に居心地の良さを感じていて、できればここで挑戦し続けてみたい」ことを伝えました。

伝わる喜び

最後はリサーチ結果の発表というよりは、個人的な気持ちを伝える場になってしまいましたが、伝えたいと思ったことは、私の英語でクラスのみんなにきちんと伝わったようで、さらにクラスメイトが興味を持って議論してくれ、最後の締めに教授からお褒めの言葉をいただいた時は、充実感でいっぱいで、泣きそうになりました。

それが評価にも繋がり、プレゼンテーションに対してもらった評価は96.5 % (A)。自分の経験を結びつけながら、情熱を持って取り組んだことが伝わってきた、と教授からコメントをもらいました。(授業全体の成績は78.3 % (C+)だったので、ここでかろうじてバランスを取れました。笑)

一方で、エッセーはまだ「レポート」のレベルから抜け出せておらず、学術的なものとしてはまだまだ弱い、と指摘もいただきました。そして、その後の期末テストの問いの一つに、一番教養を深めるのに役立ったプレゼンテーションについての見解を述べる、というものがあり、ここで多くのクラスメイトが私のプレゼンテーションを取り上げていたと、のちに教授から連絡をもらいました。

こんなにポジティブな評価をいただいたのは、実体験(日本で社会人経験)がある日本人が、それをトピックとして取り上げ、プラハの大学の学部でプレゼンをする、という稀有性に大いに助けられたというのが事実だと思います。しかしながら、評価してもらえたことは本当に嬉しく、そして自分の中にあった疑問が、このリサーチを通して少し解決でき、先述したように、英語でインプット・アウトプットする楽しさを経験できたことが、私の中で大きな糧になりました。

最後に

前回の記事でお話しした通り、私のUNYP留学の目的は英語力をさらに伸ばすことでした。「さらに」の基準として、大学院進学のための英語力習得でしたが、結果、大学院進学はせず、それに必要なIETLS等の英語検定試験を受けていないので、果たして自分がアカデミックな基準でいったらどれくらいなのかはわかりません。しかしながら、結果として全ての授業で平均的な成績を大学で修めることができ、学生生活全体を通して嫌いだった英語を克服できる光が見えました。

また、英語コースで学ぶレベルと、実際の大学の授業を満足にこなすための英語のレベルの差を体感し、もし、英語コースをもう一度取ることを選んでいたら、私の英語力の伸びしろはそこ止まりで、自分をもっと甘やかしていたかもしれません。今では不安を抱えながらも、大学の学士過程で学ぶ選択をしてよかったと思えます。

UNYPは、学生たちの積極性を伸ばそうという大学の方針がはっきりしており、その大学の方針通り、バイタリティと積極性に溢れた学生が多いです。おそらくほかの大学を選んでいても、学部留学にチャレンジするという面である程度のアウトプットはあったと思いますが、ここでの出会い、周りから刺激を受ける環境があったからこそ、UNYPを選んでよかったと思います。今回の留学をサポートしてくれた大学オフィス、一緒に学んだクラスメイト、暖かく見守って励ましてくれた教授たち、困ったときに手を差し伸べてくれた友達には感謝の気持ちでいっぱいです。

以上、私のUNYP留学を通してのレポートでした。

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ABOUTこの記事をかいた人

1988年九州生まれ、九州育ち。
就職を機に足を踏み入れた東京砂漠から脱出、渡チェコ。
縁あって現在オランダ在住。