スペイン

【バルセロナ旅】マスタードぶっかけスリ未遂事件

海外を旅していると、楽しいことばかりではありません。今回は、私が実際にバルセロナで遭った、スリ未遂についてお伝えします。

事件は夜のサグラダ・ファミリアで起こった

バルセロナ最後の夜、せっかくなのでサグラダ・ファミリアのライトアップを見ようと出かけることにしました。

サグラダ・ファミリアに到着した時は、外はまだ明るく、人もまだまだたくさんいる状態。暗くなる前にもう少し写真を撮ろうと、サグラダ・ファミリアへの入場口とは逆の、裏手の広場でカメラを手に撮影をしていました。

ちょうどこの角度↓[googlemaps https://www.google.com/maps/embed?pb=!4v1526392290196!6m8!1m7!1sCAoSLEFGMVFpcE1iWGlFTlZKelRmWVJZc0l4S01ZUUNoM0g1MlRaTF9rRWwwVUNx!2m2!1d41.40295408110438!2d2.173669319716836!3f71.49721496441651!4f32.12687148831053!5f0.7820865974627469&w=600&h=450]

え、何!?鳥のフン!?隅に連行される私

と、突然右耳に違和感。いきなり水っぽいものがかけられたような感覚に襲われ、反射的に手で触ると緑の液体が。「え、鳥のフン!?」と、とっさに上を向きました。しかしながら、緑の液体がかかったのは明らかに横からの角度で、上を見上げても電線はあるがそこに鳥はいない。「どういうこと!?」と混乱し始める私。

そしてまた腕に同じく水がかかったような違和感。自分に何が起こっているか全く検討がつかず、頭の中は大混乱。

すると、中年の女性が一人近づいて来て、「あらあらどうしたの、私が拭いてあげるわよ」という風にティッシュを出してきました。そして、彼女に腕を引っ張られ、5メートルほど離れた場所へ移動。連れていかれている間、「あ、向こうに汚れを洗い流せる水道でもあるのかな」なんて、混乱した頭でポジティブに考えていた私。

移動すると、「自分も手伝う」というようなそぶりでもう2人中年男性が寄ってきました。すると彼らは、緑の液体を拭いてくれるのではなく、私の持ち物を不自然に触り始め、その時点でようやく、おかしいと気付き始めました。私のショルダーバッグのカバーを開けようとするなんて明らかにおかしい。

“I’m fine!!!!!”と言いながら、自分の荷物を守るそぶりを見せると、奴らは察したように、散り散りに離れて行きました。そしてようやく合点がいきました。奴らは、緑の液体をぶっかけ、汚れを落とす手伝うそぶりを見せながら私を隅の方に連れていき、私の持ち物をかすめ取ろうとしたスリだと!!!!!

一気に混乱が怒りに変わり、何か言ってやりたいと、奴らのうち1人が去って行った方向へ急ぎましたが、あとの祭り、もう姿はありませんでした。

周りには、どうやら同じ被害にあった人たちがいたようで、彼らも混乱と怒りに満ちた様子。

何も盗られなかったけど…

幸い、私は何も盗られておらず、持っていたカメラも故障などの被害に遭うことなく無事でしたが、服のあちらこちらが緑の液体まみれ。「ふざけんなよ、このやろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」という怒りにもまみれながらで、必死にティッシュで汚れを落としました。

ティッシュで汚れを落とした後のトートバッグ。

緑の液体は、におい的に臭さはなく、のちに調べてみると、どうやらマスタードだったよう。鳥のフンがかかってしまったと見せかけて、それを手助けしようと近づき、スリを働く、という手口というのが今回のケース。

当然ティッシュだけで汚れは完全に落ちることなく、こんなんじゃお店とか入れないじゃん!と一瞬思いましたが、これでヘコんで宿に帰ってメソメソするなんて、なんか納得いかん!!!と開き直り、マスタード臭を漂わせながら、最後の晩餐を食らうべく、タパス屋さんに向かったのでした。(もちろん空腹にも勝てなかった)

のちのシャワーで気付きましたが、髪と耳の穴にまでマスタード。その頃にはもうカピカピ。その日が最後の夜だったのが不幸中の幸い、服とバッグについたマスタードは、プラハに帰ってすぐ洗濯し、水と洗剤で洗い落とせました。

被害に遭うかは運。リスクを想定して身を守る

海外に行き始めて10年、犯罪に遭うことは運良く皆無でした。それはあくまで私がラッキーだっただけの話。今回、何も盗られなかったという意味ではラッキーでしたが、混乱と怒りと悲しみと、なんとも言えない残念な気持ちでいっぱいになりました。

スリから身を守るための、私の海外にいる時のルールは、貴重品は必ずファスナーがついたショルダーバッグに入れること。パスポート、財布、スマホ。スマホは写真を撮るのに頻繁に出し入れするのが面倒でも、ポケットには入れず、必ずカバンに戻すようにしています。そして今回持っていたカバンは、まずカバーを上げてファスナーを開ける、という二重の構造だったので、被害を免れることができたのだと思います。

最初に言ったように、海外で経験できるのは楽しい事ばかりではありません。このような犯罪被害にも会う確率が十分にある、というのを認識した上で、できる限り自分の身を守る術を得ておくことが大事だと改めて感じた今回の事件でした。

ABOUT ME
Tomomi
1988年九州生まれ、九州育ち。 就職を機に足を踏み入れた東京砂漠から脱出、渡チェコ。 縁あって現在オランダ在住。