今回は少しニッチな話を書きます。ブダペストのクラブ・音楽シーンについてです。恐らくそこまでポピュラーな話題ではないと思いますが、単純に僕がめちゃくちゃ好きなので書かせてもらいます。日本にいた頃からクラブとかは好きでしたが、ブダペストに行き、10倍好きになった上、本当の意味で音楽が好きだと思えるようになりました。今回は、そんなブダペストやヨーロッパのパーティーシーンについてご紹介します。
「パーティーシティー」ブダペスト
僕も向こうに行くまで知らなかったんですが、ブダペストって行政が「パーティーシティー」として推しているんですね。行政の力を味方に付けた「パーティーシティー」。もうこの時点で興奮しませんか。僕はしました。ヨーロッパをまわっていた時、ちょっと分かっている人なら、僕が「ブダペストから来た」というと「あぁ、あそこはもうゴリゴリにパーティーシティーだよね」と言われることはよくありました。アムステルダムに行っている時に出会ったロンドン出身のイギリス人は「ブダペストが世界一」とまで言っていました。まぁ世界一かどうかは分かりませんが、とりあえずブダペストはそれぐらいすごい都市ってことです。
アムステルダムやベルリンなどといった他のヨーロッパのパーティーシティーに比べると、ブダペストという都市自体の知名度が低かったりしますが、知られてないだけで、実はすごいって感じのイメージです。では、何がそんなにすごいのか。僕自身の経験に基づいて話していきます。
根本から違うヨーロッパのクラブ文化
まず、そもそも日本とヨーロッパではパーティー文化が根本的に違います。なんとなく知ってはいましたが、ここまで違うかって感じでした。日本では「クラブに行く人」みたいなステレオタイプってやっぱりあると思います。そして残念ながら大体そのステレオタイプは合っていたりします(笑)
しかし、ヨーロッパでは同じステレオタイプは通用しません。日本人が居酒屋に行ったり、カラオケに行ったりするのと同じような感覚で、彼らはクラブに行きます。だからクラブに行かない大学生なんてほとんどいません。そのくらい向こうではクラブが文化として根付いています。年齢の幅も広く、ちゃんと「音楽」を楽しむイベントとして開催されるところに行けば、おじさんおばさんなんてのはざらにいいて、おじいさんおばあさんさえいます。かなりコアなイベントにはなりますが(笑)
大衆的なクラブで流れているような音楽は、日本の渋谷とか六本木の有名どころで流れているような音楽と大して変わりはありません。いわゆる「メインストリーム」な音楽。僕も昔はこうした音楽が好きでした。というか入りは大体こっからだと思いますが。しかし、まだまだクラブにも深みがあるということを知るのです。アムステルダムで「techno」に出会い、ブダペストで「psytrance」に出会うのです。たかが音楽と侮ることなかれ。この出会いが僕の後の人生を変えます。例えば向こうで出来た友人も、元は互いにテクノ好きだったからです。コアな音楽好きだからこそ「テクノ好きなの!?」と一瞬で仲良くなれました。そこから一気に輪は広がり多くのクルーができます。彼らとの出会いもめちゃくちゃでかかったです。
掘れば掘るほどすごいブダペスト
まず、アムステルダムへの旅行中に出会ったtechnoにすっかりハマった私は、ブダペストに戻ってから、ブダペストのテクノクラブを探し始めます。すると、割と簡単に良質なテクノクラブを発見できました。一箇所二箇所ではありません。街の規模からすると十分過ぎるほどありました。
またテクノを漁っていくうちに、サイトランスにも出会います。ジャンル的には異なるこの二つの音楽ですが、どちらも「音」としての側面が強いです。つまり、ただのクラブ好きからもう一歩踏み込んだ世界になります。そして同じようにブダペストのサイトランスシーンを探ってみると、これまたすごい!イベントの宝庫でした。←例えばここ。マルギット島というドナウ川に浮かぶ島があるのですが、その入り口あたりにある「ラクタールビーチ」というバーで行われていたイベントです。見て分かるように、このイベントが行われていたのはバーではなく、バーに付随した屋外のスペースです。しかもここ、人工的な砂浜になっていて、気分はもはやレイブ。夏には毎週ここでこうした
イベントが行われているというのだから、本当にハンガリー人どんだけ音楽好きなのって感じです。羨ましすぎ。ちなみにここハンガリーで毎年開催される「OZORA」というイベントは、世界一大規模なサイトランスのイベントで世界中からレイバー達が集結します。行きたかった・・・。
もう本当に全てのシーンがとにかくアツいんですが、特に印象に残っているイベントが一つあります。それが「CityMatiné(シティマティネ)」というイベント。こちらもテクノ系のイベントなのですが、行われる場所が屋外。しかもただの屋外ではありません。←ここです。ブダペストには「シタデラの丘」という市街を一望できる丘があるのですが、そこでやっちゃうんです。しかも朝から夜まで。この景色を見下ろしながら、踊れるんですよ。やばくないですか。これにはさすがのヨーロッパ人の友人たちも感動していました。僕も将来はこのイベントのためだけにハンガリーに戻ってきてもいいと思えるぐらいです。
そして安いブダペスト
ここハンガリーは東欧で通貨もユーロでないため、物価も安いです。日本でクラブに行こうとすればエントランスで二千、三千なんて当たり前ですよね。しかし、ハンガリーなら大体半額以下で済みます。学生にとってはこれほど嬉しいことはありません。このクオリティーでこの価格。本当にここは夢の国かと。留学中、ヨーロッパの様々な都市にも行きましたが、クオリティーも含めてこうした「安さ」という点も考えると、さすがパーティーシティーといった感じですね。
まとめ
ハンガリーから帰ってきた僕は、ただのクラブ好き人間から、音楽好き人間へと変わりました。今まで趣味らしい趣味といえるものがなかったのですが、今では音楽が趣味だと自信を持って言えます。皆さんにも是非好きになってもらいたいですが、人それぞれ好き嫌いはあるので、一番言いたいのは「新しい扉を叩いてみると思いもよらない世界が広がっているかもしれないよ」ということです。僕自身、音楽がこんなにも世界を変えてくれるとは思ってもみませんでした。何事もやってみなきゃ分かんないってことですね。では~