ハンガリー

ブダペストの日本人宿「さくらんぼ」 ー普段日本人宿を利用しない私が「さくらんぼ」をオススメする理由

ブダペスト滞在中、お世話になった日本人宿「さくらんぼ」

普段海外に滞在するときは、せっかく日本を出たのだから!と日本人宿を利用したことはなかったのですが、今回初めて日本人宿に滞在してみました。

到着

メトロKodály körönd駅(黄色のM1線)で降り、閑静な通りを抜けると、「さくらんぼ」の看板が。

一般住宅が入る建物の一角が宿になっていて、ドアベルを鳴らして中に入ります。

初めて足を踏み入れる異国の地に到着して、宿にたどり着くまではなかなか気が張るもの。到着すると、管理人のあやかさんが温かく迎えてくださり、出していただいた紅茶をいただきながら、それまでの緊張がふーっと解けました。

さくらんぼでのご飯

到着したその日は、皆さんの持ち寄りで夕飯を作るとのことで、ご一緒させていただきました。

チキンカレーとニラ玉炒め。ハンガリー産のワインも。

さくらんぼには共用のキッチンがあるので、自分でマーケットやスーパーで材料を仕入れて調理もできます。機会があれば、宿にいる他の方々と一緒にご飯を作ったり、各々で一品ずつ持ち寄ったりも。

他の日のみんなでの夕食は、ハンガリー料理 ”Halászlé(ハラースレー)”(淡水魚のスープ)と、マーケットで仕入れたチーズをのせたサラダ。

とはいえ、朝はご飯の準備なしにゆっくり過ごしたいという方は、朝食サービスという選択もあります。

パン・ハム・チーズ・ヨーグルト・サラダ・カップスープ・紅茶 。1500Ft(約642円:2017年10月当時のレート)でボリュームたっぷり

リビングルーム

みんなで一緒にご飯を食べたり、団欒するのはリビングルーム。

本棚には、日本語のガイドブックや小説がたくさん並んでいます。私は外出する際、ここから地球の歩き方をお借りしました。長期滞在や、短期の旅行でも宿でのんびりしたい時は、こうやっていろんな本があると暇を持て余さなくて良いですね。

さくらんぼと音楽

さくらんぼの各部屋には、ハンガリーの作曲家の名前がつけられています。

1〜5人部屋のバルトーク

 

 

1〜2人部屋のコダーイ

 

 

同じく1〜2部屋人のドホナーニ

 

 

男女混合ドミトリーのリスト

 

 

さくらんぼは、音楽と縁の深い宿で、管理人のあやかさんはブダペストにある音楽大学、リスト音楽院ご出身。ドミトリーにはグランドピアノがあり、サロンコンサートも開催しているとのこと。私の滞在中には、リスト音楽院で学ぶ日本人学生さんたちと交流させていただく機会もたくさんあり、演奏も聴かせていただきました。(お部屋のうちの1室は、リスト音楽院に通っている学生さんが長期滞在されていました。)

語学交流会

さくらんぼでは定期的にハンガリー語と日本語の語学交流会が行われています。

ドミトリーで行われた交流会

日本語を勉強しているハンガリー人と、ハンガリー語を勉強している日本人が集まって、わからないことを質問しあったり、自分の国と相手の国の常識の違いを話し合ったり。全くハンガリー語がわからない私も、発言は英語でもOK!ということで、その日のテーマ「自分の好きな家電」について、電気ケトルの素晴らしさを熱く語りました。

「どこで誰が何をした」をつなげるゲーム

ほぼ毎週行われているこの語学交流会は、日本人宿にいながらも、現地の方々とも交流できるとても貴重な機会だと思います。

マッサージ

ところで、私は海外に行くと必ずマッサージに行きたくなります。(唐突)今までの主な旅行先だったアジアには豊富にあるマッサージやリラクゼーションの場所が、ヨーロッパに来てからはあまり良い場所が見つからず(私が留学していたプラハではタイマッサージはよく見かけますが、チャレンジしたことはなし)

そんなマッサージ不足に思い悩んでいた私が見つけたのが、さくらんぼでの出張マッサージ!これはもうやってもらうしかない!と、宿泊予約と同時に、マッサージもお願いしました。

施術はさくらんぼで受けることができます。

セラピストは、ハンガリー人のメシさん。

日本語堪能で、施術の時の会話は通訳なしで全て日本語で行ってくれます。歩き疲れた脚と、すぐ凝り固まってしまう肩を重点的にお願いしました。メシさんとのトークも楽しく、マッサージの気持ち良さに私が後半眠りにつくまで、日本語についての話や、お互いの大学での専攻の話などで盛り上がりました。

私がお願いしたのは60分で5500Ft(約2,360円:2017年10月当時のレート施術後はスッキリして体が軽くなり、お値段も日本でのマッサージに比べたらかなりお得。大満足のヨーロッパでの初マッサージ体験でした。

さくらんぼをオススメしたい理由

プラハで英語の語学留学をしていた私は、ヨーロッパに来て半年ほど、日本らしい環境からは距離を置いていました。半年といえど、久しぶりの日本人ばかりの環境に馴染めるかなという不安を抱えつつ迎えた今回の旅。しかしながらその不安は一瞬で吹き飛び、終始楽しい時間を過ごすことができた旅の中心は、さくらんぼでした。

そんなさくらんぼを、私がオススメする理由は3つ。

1.アットホームな雰囲気で感じる一期一会

まず最初に温かく迎えてくれた管理人のあやかさんの気さくな人柄が、初対面だと距離を取ってしまう私の性格と、抱えていた不安を消し去ってくれました。そして、宿は一般住宅をシェアハウスのように使っていることもあって、他の宿泊客の方とも交流をしやすい雰囲気。世界一周中の人や、ヨーロッパの他の国在住で旅行に来ている人。最初のうちは他人行儀でも、宿でご飯を共にしたり、夜な夜な団欒したりすると、おのずと距離が縮まっていきます。

全く異なるバックグラウンドを持って集まった人たちが、今日はどこに行く、あそこがオススメだった、と情報交換をしあい、次第に今日の夜ご飯や、カフェに行くお誘いをお互いにするようになり、ブダペストで過ごすたった数日の中で「一期一会」を実感することができます。

同じ釜の飯とはよく言ったもので、みんなでワイワイしながら異国の地ハンガリーの日本人宿で食べたお米は最高で、みんなでご飯を共にしたことで、私も心を開くことができました。

2.日本語環境の安心感

海外旅行に不安を抱えている方には、やはりこの環境は心強いと思います。ホテルのチェックイン・チェックアウト、そのホテル周辺のことで聞きたいことなど、語学力に自信がない方にとっては、言葉が通じることによって払拭される不安はかなり大きいのではないでしょうか。

私が日本人宿未体験だったように、せっかく海外にいるのに日本語・日本人に囲まれるのはと思う方ももちろんいると思いますが、海外旅行に慣れていて、言語の心配がなかったとしても、新しい土地に足を踏み入れて、日本語であたたかく迎え入れてもらえると、なんとも言えない安心感があり、ほっとしました。

多国籍な宿の中で、異国の人たちとの文化の違いを楽しむ旅もいいですが、日本的感覚を共有できる環境で過ごすのも、ストレスレスで案外いいかもしれません。

また色々なサービスも提供されているので、必要な場合は、自力で手配するよりもお願いした方が手間も時間も省けるはずです。

3.豊富な情報量で旅の効率アップ

1,2とも関連しますが、管理人のあやかさんを始め、宿に滞在している方々に、わからないことやオススメを聞けたり、本棚にある日本語のガイドブックを読めたり、インターネットで一人検索するより、断然旅の情報収集がしやすいです。(ドナウ川クルーズはどこの会社がオススメ、このデザートはマスト!など)もちろん現地の方から得る情報も貴重ですが、日本人目線で見たオススメを教えてもらえるのは、とても有益!

最後に

ただし前述のように、シェアハウスを想像してもらえば分かりやすいかと思いますが、キッチンやバストイレが共用であったり、共有スペースと宿泊する部屋を仕切るのはドア一つなので、個人でホテルを利用するよりも、他の方への配慮がもちろん必要です。私が滞在した時は、誰かが就寝した後はお互い声を掛け合って、邪魔にならないよう団欒したり、お風呂の順番の譲り合いになんとなく日本人らしさを感じたり、「一つ屋根の下にいる」ということには全くいやな思いはしませんでした。

一週間たらずの滞在でしたが、ハンガリーの街の美しさと、さくらんぼでの出会いに名残惜しさを感じながら、プラハへの帰途に着きました。

(内容は筆者が滞在した当時のもので、現在の管理人は坂東菜穂子さんが務められています)

 

https://www.goodfriends.jp/village/language-schools

ABOUT ME
Tomomi
1988年九州生まれ、九州育ち。 就職を機に足を踏み入れた東京砂漠から脱出、渡チェコ。 縁あって現在オランダ在住。