【30歳を過ぎて、スペインのビジネススクールで英語を勉強してみた】
なぜスペインで英語?
私はスペインへ行く半年前まで、南米で青年海外協力隊として活動をしていたので(2年間 )、生活するうえでのスペイン語は身についていました。
南米にいた頃から、「英語は勉強してみたいな~」っという希望は持っており、加えて「スペインのスペイン語にも触れてみたい!!」という好奇心もあり、その両方を同時に叶える為にバルセロナにあるEUビジネススクールの English Foundation Programm を受けることにしました。

はじめましてTOMAです。「スペインのビジネススクールならスペイン人や南米出身の人もいるだろうし、そんな彼らとスペイン語と英語を交えて勉強できれば、一石二鳥じゃないか!?」と意気揚々してた32歳。出国まで3カ月間は中学高校の英語のテキストをやりなおし、毎日オンライン英会話を実践しました。
ここでは、 EUビジネススクールのEnglish Foundation Programmの概要とそれにかかわる費用について書き残したいと思います。
*あくまで2019年1月から4月までこのプログラムに参加した私の主観です。
語学学校ではありませんよ!!
まず、EU Business School(以下EUBS)は語学学校ではありません。経営学、経済学、スポーツ経済学といった分野を勉強し、修士号・学士号を取ることができる学校です。もちろん語学のコースもありますが、学校として語学の習得に重きを置いてるわけではありません。
こんな方にはピッタリな学校だと思います(英語が得意じゃないという前提です)。
- 「大学(院)を英語で勉強する予定」
- 「アカデミックな英語を習得したい」
- 「将来は英語を使ったスポーツ関連の仕事を夢見ている」
一方で・・・ こんな方は英語圏での留学や英語に特化した留学をお勧めします。
- 「英語の日常会話、ビジネス英語を習得したい」
- 「スペイン語圏の学生と英語を勉強したい」
- 「とりあえず英語留学をしたい」

学生の人数とモチベーション
授業は50分×4+休憩時間=1日4時間という構成になります。生徒の人数は登録上18, 9名でしたが、実際毎日クラスに来るのは8~10名。残りの人は週に1回、月に1回、テストだけ受けるといった具合。
それでも単位を取れるように工夫する優しい先生達がいる一方で、授業態度が反映された成績の評価はないというのも事実でしょう。クラスメイトは全体的に英語を習得しようとするモチベーションは決して高いと言えませんが、EUBSで勉強する意思は高い印象を受けました。
クラスメイトの国籍は以下のような感じでした。
- 旧ソビエト連合諸国5名
- 中東アジア1名
- 東アジア3名
- 北アフリカ(モロッコ)10名
アラビア語やロシア語に精通している人であれば、クラスメイトと更に深い交流や違った角度から接点を持てるかもしれません。個人的にはクラスメイトの話を聞いて、旧ソ連の各国やモロッコの生活感聞けたので面白かったです。
当初期待していたスペイン語圏の学生が0人という事実にショックは隠せませんでしたが、新しい文化と出会えたので、これはこれでOK。年齢は18歳から32歳までで、特に大学卒業後の22歳前後の人が7,8割でした。

英語力は高卒レベル(文法は分かるけど話すのは苦手)の人や、CEFRのB1~2(身近な話題は卒なく話せる)くらいの人まで多様ですが、みんな話そうとする前向きな姿勢が凄いです。英語に似た単語の多い母国語話者もいるためリーディングは全体的に高いですが、ライティングについては少し低い印象を受けました。
ライティングについては細かい部分まで添削してくれますが、スピーキングについては十数名の積極的なクラスメイトが一人の先生を取り合う感じになるので、先生相手にスピーキングの時間を満足に確保するのは難しいでしょう。
どんな先生が何を教えてくれたのか!?
英語を教えてくれた先生は3名。3名ともEUBSや外部での英語教授の経験が豊富なので、英語に関する質問で不安定な回答はありませんでした。そして、全体的に宿題は最低限ですが(A4プリント1枚)、ごく稀に論文(英文)の要約もありました。
- 先生A(米国):流行に敏感な日系三世、日本の滞在経験有
- 先生B(英国):外部の英語教師で英語の指導経験が長く、日本への理解も深い
- 先生C(英国):唯一のEUBS職員、日本での就業経験有
イギリス英語とアメリカ英語の違いについては飽きるほど聞くことができますし、何よりも日によって二つの異なる地域のネイティブ英語を体感できるのも利点かと思います。3名の先生に共通しているのは、日本への理解が凄まじく深く、最高に優しい人柄です。
- Business English(先生A担当):仕事、経済を題材にした授業で、MBAの課程で学ぶ教科の初歩の初歩くらいのことを教えてくれます。
- Learning Strategies & Study Techniques(先生A担当):効率の良い学習方法や脳科学などを題材に、「いかに勉強すれば効率がいいのか」を極める授業です。たまにYOUTUBEを使って勉強や学習の方法論を紹介したり、実体験を交えて多方面から教えてくれます。
- Critical Thinking & Analysis(先生B担当):日本語では批判的思考と直訳されますが、物事を多方面から直接的に見る思考方法を教えてくれます(個人的な解釈です)。このプログラムの中で一番難しいと思いました!!批判的思想の意味をとらえるために相当時間を使う上に、当たっているのかも分からない比較的思考について片言の英語で議論するのは体力を使いました。
- Reading and Text Analysis(先生B担当):題名のとおり読解の授業です。これはEUBSじゃなくても勉強できますし、何なら家でもできるような長文の読解問題です。目新しい読解の授業でもないこともあり、自分のモチベーションを奮い立たせるのに苦労しました。
- Communication Skills(先生C担当):プレゼンテーションの構成や実際の立ち振る舞い、話し方などを教えてくれます。それ以外にも、「コミュニケーションとは何か」「動物の鳴き声は言語なのか」などコミュニケーションにまつわる色々なテーマを勉強します。実際に小さなプレゼンも3回程度やりました。テーマは「自分と出身地」「自分の将来勤めたい会社」などでしたが、あと一つは覚えていませんw。
- Structured Writing & Grammar(先生C担当):英語の文法です。簡単な英文法から高校レベルまで一通りおさらいしてくれます。授業の直後は新しく学んだ文法を使うように心掛けますが、クラスメイトの記憶も曖昧だったりするので、お互い間違えながらも文法を学んでいきました。
- English for Academic Purposes(先生C担当):論文の読み方や要約のしかた書き言葉など、大学や研究機関から発行された論文を使って学んでいきます。クラスメイトと分担して要約した内容の発表もありました。

良かった点 ・改善点
良かった点
- 多様な国籍の生徒と一緒に勉強できた
- 学習する英語のレベルが丁度良かった(CEFR A2~B1程度)
- アメリカ・イギリスの両ネイティブの先生からアカデミック英語を学べた
- プログラム終了後にEUBSでの勉強を検討しているなら、学校の環境に慣れる期間として適当
- 在バルセロナ日本国総領事館が学校から徒歩5分圏内
- 校舎の横にショッピングモール又はスーパーマーケットがあるので、買い物できる (校舎内への水以外の飲食物の持ち込みは禁止)
改善点
- 生徒の英語習得に対するモチベーションはあまり高くない(English Foundationコースに参加した生徒に限るかも)
- 英語を使ったアウトプットの場面が少なく、クラス替えもないため慣れあいになる
- 入学手続きをしている頃にウェブサイトの説明にあった「毎日4時間の自己学習か宿題」がない

生活と費用
日常的な出費一覧は以下のような感じです。 1カ月で€1200~1300くらいあれば、「アルバイトで生活している日本の地方大学生」程度の生活はできると思います。これには日本での年金や保険などの費用は含まれていないので、高いと思うかどうかは、今の自身の生活水準によります。
- 朝:自宅で勉強と昼食
- 昼:学校(14時~18時)
- 夕:買い物して帰宅
- 夜:課題→夕食(自炊)→寝る
- 食費: € 300×5カ月
- 雑費: € 200×5カ月
- 住居費: € 650×5カ月
- 授業料+入学金+手数料等=€5100
- スペイン語コース€350
- マルタ&スペイン国内旅行€1000
- 日~西往復チケット¥88000
- 合計1,383,400円【 1ユーロ=127円計算 】

学校までは歩いて40分、バスで30分程度という好立地で、周りはお年寄りの住まいが多い地域だったので治安もよかったです。
そして、何より・・・、目の前にある商店まで徒歩1分、真裏のスーパーマーケットまで徒歩2分、かの有名なサグラダファミリアまで徒歩10分という、買い物と教会好きには最高のロケーションでした。
トイレとシャワーは各部屋にあり、台所・洗濯機・乾燥機は共用、冷蔵庫は各自1台使うことができたので、とても快適なルームシェア生活になりました。

一緒に生活した6人のルームメイトは国籍も多様で、インド・イギリス・アメリカ・ブラジル・キプロス・フランス・スペイン、職業もインターンシップ、仕事、学生などなど、色んな人達と一つ屋根の下に暮らした経験は貴重なものになりました。
また、週に2回清掃員の人が台所と共用部分を掃除してくれるので、衛生環境も文句なしでした。
そして、部屋ごとにシャワー・トイレ・冷蔵庫がついていたので、「使いたいときに使える」その点も快適に過ごせた要因と言えるでしょう。また、洗濯機と乾燥機もあったので、それも時短のためには凄く助かりました。
2か国語を同時に学習するということ
English Foundationのクラスメイトにスペイン語圏の人が一人もいなかったのは予想外ですが、先生曰く「スペイン語圏でこの学校に来る人は、既に英語の能力が十分にあるから、 English Foundationを受ける人は稀」とのこと。
とはいえ、英語とスペイン語を同時に勉強したかったので、週に一回EUBSが提供するスペイン語の中級コースの授業を取りました。優しいバルセロナ出身の先生で、生徒は私を含めて4名で全員ブラジル人でした。ブラジル人は母語が似ているので私よりも遥かにスペイン語の理解力が高く、わからない単語も少しの説明で大体理解しちゃう感じでした。
180分×10回で350ユーロなので、一回の授業が35ユーロと考えると、決して安いわけではありません。バルセロナの語学学校で勉強するのも手ですが、EUBSでスペイン語を勉強する利点としては移動が少ないという点と、他のクラスの友達ができるという点です!
ただし、多くの時間を英語に費やしているため、日常生活と週に1回のスペイン語の授業で伸びるほど甘くないと思いました。どうしても英語を勉強する時間が多くなるので、スペイン語は現状維持する程度でした。2か国語同時に勉強した期間が4カ月だけなので何とも言えませんが、長く続けられれば成果も得られるかもしれません。
英語の上達具合ですが、授業中先生の言っていることが大体想像できる程度にリーディング・リスニングは伸びを感じましたが、ライティング・スピーキングなどのアウトプットについてはあまり進歩しませんでした。英語の基礎の基礎を学べたという感じでしょうか。

幸いなことに私はスペイン語が話せたので、プライベートで苦労することは多くありませんでしたが、異文化の中で生活しながらスペイン語(実生活)・英語(学校生活)と異なる言語を使いわけるのは想像以上に気力と体力を使うと感じました。一方で休日や春休み(2週間)を利用してスペイン国内を旅行したり、バルセロナ市内を散策したりするのもモチベーションを維持する意味では良い環境でした。
バルセロナはスペイン国内でも物価が高いですが、EUBSの他国の校舎周辺の物価に比べると極めて高い物価ではないと思います。以上のことを念頭に、English Foundation Programを検討してみてはいかがでしょうか。

Photos: Thanks for class mates & Minami